口臭の主な成分は、揮発性硫黄化合物(VSC)で、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどがあげられます。
ちなみに、人が悪臭と感じる臭いは、スカトール(尿のにおい。アンモニア、アミン類などの窒素化合物)イソ吉草酸(靴下のムレたようなにおいや、油の腐ったような臭い)メチルシクトペンテノロン(砂糖が焦げたようなにおいや、卵が腐ったような臭い)があります。
口臭の原因となる揮発性硫黄化合物は、メチルシクトペンテノロンに含まれます。
口臭の原因として、主に「口の中の病気」と「内科系の病気」があげられます。口内での病気が特にないのに口臭にお悩みの場合は、一度内科を受診されることを推奨いたします。
口の中の病気が原因
◆歯周病
歯周病により、歯肉から血や膿が出ているときは、強烈な口臭の元になります。特に、歯周病進行度が歯周ポケット(歯と歯茎の間の深さ)で4mm以上になると他人が感じる口臭をおこす可能性があります。
◆虫歯
一本くらいの虫歯が口臭の原因になることは少ないですが、虫歯の穴につまった食べカスが腐敗してニオイを出し、口臭となります。
◆舌苔(舌の上についてる白い苔)
舌苔が過剰に付着すると口臭の原因になります。舌苔がいつも過剰に付着するのは、口内の問題ではなく、胃腸などが原因の場合があります。
◆唾液の異常
唾液には、細菌を殺菌したり、洗い流す効果がありますが、口の中の粘膜が炎症していたりすると唾液の力が正常に働きません。
また、最近話題になっているドライマウスとは、口の中が乾燥して唾液の力が働いていない状態を言い、口臭の原因になります。ドライマウスは、口呼吸、基礎疾患、代謝異常、ビタミン不足、長期にわたる薬物の利用によって起こります。
内科系の病気が原因
臓器が悪いと口臭が起こることがあります。これは、臓器から排出された代謝産物が血液中に溶け込み、呼吸によって排出されるためです。
このほか、高熱が出たとき、鼻炎にかかったときなど、口で息をするために唾液が渇いてしまい、一時的に口臭がきつくなることがあります。
その他、慢性胃炎や胃のただれ(臭いゲップが出ることが多い)、気管支カタルなど呼吸器系の病気、蓄膿症、慢性扁桃炎、アデノイドなど耳鼻咽喉科系の病気(口だけでなく、鼻からの息も臭う)、糖尿病(甘酸っぱい臭い)、肝臓病、腎不全、白血病、癌なども口臭を伴うことがある病気とされています。
治療法①
虫歯や歯周病を治療する
口臭の50~60%は、虫歯や歯周病が原因であると言われていますので、治療を行うことによって多くの方が口臭改善につながります。
治療法②
舌のお手入れもしっかり
歯磨きだけではなく、舌磨きを行うことも効果的です。舌苔を取り除くことにより爽やかな息になります。
治療法③
洗口剤を利用する
洗口剤自体の消臭効果は微弱ですが、歯の汚れが抑制されるので、結果として、口臭予防になります。
治療法④
歯科医師に相談
患者様の症状に合わせて、効果的な方法をご提案致します。また、虫歯や歯周病、口腔粘膜の異常が見つかることもありますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。